オーガニックカラーは髪に優しい?メリット/デメリットを解説
美容室のヘアカラーで髪が痛んだり、頭皮がかぶれたりして困ったことはありませんか?
一般的なヘアカラーには、アレルギーを発症する可能性がある「ジアミン」という酸化染料が含まれており、頭皮へのダメージが懸念されています。
オーガニックカラーについては「髪や頭皮に優しい」といったイメージがありますが、ジアミンを含む製品と含まない製品があるため、よくチェックしておくことが大切です。
本記事では、オーガニックカラーの基礎知識に加えて、ジアミンについて詳しく紹介します。
目次
オーガニックカラーは
髪に優しい?
オーガニックとは、有機栽培・有機農法などの「有機」を意味します。化学肥料を使わず、自然に優しい農法で育てられた素材を使用したカラー剤が、オーガニックカラーです。
オーガニックカラーには、オリーブオイルやフラックスシードオイルといった髪にうるおいを与える成分が含まれており、ヘアカラーによる髪や頭皮へのダメージを抑えられます。
また、ローズマリーやキンセンカといった、抗炎症作用や保湿効果がある植物が含まれたものもあり、頭皮への刺激を和らげてくれます。
ただし、無添加やノンシリコンといったように製品によって成分が異なるため、事前に含有内容を確認しておくことが大切です。
ジアミンアレルギーでも大丈夫?
ジアミンアレルギーとは、カラー剤に含まれるジアミンという化学染料によって起こるアレルギーです。ヘアカラーをする際、「頭皮がかぶれる」「顔が腫れる」といった症状が現れる方は、ジアミンアレルギーの可能性があります。
また、ジアミンが含まれたカラー剤を使用し続けることで、アレルギーの症状が重くなるケースもあります。オーガニックカラーにもジアミンが含まれていることがあるため、注意が必要です。
オーガニックカラーの
メリット
オーガニックカラーならではのメリットをご紹介します。
髪へのダメージが少ない
オーガニックカラーに含まれる各種成分には、髪や頭皮へのダメージを防ぐ作用があります。オリーブオイルやホホバオイル・ひまわりオイルといったオイルには、毛髪保護成分や保湿成分が多く含まれています。フェンネルエキスやカレンデュラエキスは、健康的なツヤとうるおいを与える植物エキスです。
頭皮への刺激が弱い
オーガニックカラーには、頭皮への刺激を抑える成分が含まれています。ハーブ類には抗酸化作用や抗炎症作用があり、頭皮の炎症を抑えます。
ほかにも、雑菌の繁殖を抑えるグリーンティーや、頭皮のうるおいを保つアロエベラなど、さまざまな成分が頭皮への刺激を和らげます。通常のカラー剤よりも頭皮を守る成分が多く含まれているため、肌が弱い方にも使用しやすいでしょう。
カラー特有の匂いが少ない
オーガニックカラーは天然成分を多く含み、化学物質の使用を抑えているため、カラー特有のきつい匂いが少ないことが特徴です。カラー中はもちろん、カラー後の匂いも少ないため、カラーの匂いに対してストレスを感じていた方にもおすすめです。
自然な色合いに仕上がる
オーガニックカラーは、赤みを抑えた自然な色合いに染まるといった特徴があります。アッシュ系のカラーとの相性も良く、落ち着いたくすみ感のあるカラーを表現できます。
白髪もきれいに染まる
染める頻度が多くなりやすい白髪染めには、髪や頭皮をいたわりながら染められるオーガニックカラーがおすすめです。回数を重ねることで自然な色合いが定着しやすくなるほか、ダメージを最低限に抑えつつ、つややかな髪色を楽しめます。
オーガニックカラーの
デメリット・注意点
肌に優しいオーガニックカラーですが、デメリットや注意点も存在します。
ハイトーンカラーは苦手
オーガニックカラーは刺激の強い化学成分を減らしているため、脱色効果が低く、ハイトーンカラーには向いていません。オーガニックカラーでハイトーンを実現するには、カラー前のブリーチを美容師に相談する必要があります。
カラーバリエーションが少なめ
普通のカラー剤と比べると、カラーバリエーションは少なめです。髪や頭皮への刺激を弱めるために、ジアミン含有率を減らしているため、複雑な色を表現しにくいといったデメリットがあります。オーガニックカラーを使用する際は、希望の色に染められるか美容院に確認しましょう。
オーガニックカラーには基準がない
オーガニック成分が配合されたカラー剤をオーガニックカラーと呼びますが、日本にはオーガニック成分の配合量に規定はありません。極端にいえば、一滴のオーガニックオイルが含まれている場合は、オーガニックカラーとして販売できるようになっています。
一方で、海外にはオーガニック認証機関があり、認証を受けるには配合量や生産方法について細かい規定を守る必要があります。そのため、オーガニックカラーを選ぶときは、オーガニック認証機関の承認を受けたもの、あるいはオーガニック成分の配合量が多いものを選びましょう。
美容室でオーガニックカラーを使用する際は、どの製品を使っているのか事前に確認するとよいでしょう。
オーガニックだけじゃない!
髪や頭皮に優しいカラー
髪や頭皮に優しいカラー剤は、オーガニックカラーだけではありません。ここからは、頭皮に刺激の少ないおすすめのカラー剤をご紹介します。
アレルギー対策にはノンジアミンカラー
ジアミンアレルギーの方や、ヘアカラーで肌に違和感を覚える方は、ジアミンを含まないノンジアミンカラーがおすすめです。ただし、ジアミン以外の化学物質にもアレルギーを持っている可能性があります。ノンジアミンカラーであっても、使用前のパッチテストを忘れずに行いましょう。
ノンジアミンカラーの利点
ノンジアミンカラーは、ジアミンを含まないだけでなく、刺激の強い化学物質の使用を抑えていることが多いため、カラー後のかぶれやピリピリ感が起こりにくくなります。また、ヘアカラー特有のツンとした刺激臭が少ないといったメリットもあります。
ノンジアミンカラーの欠点
染色・脱色力のつよい化学物質を抑えているため、髪を極端に明るくするハイトーンカラーに染めることは難しくなります。ジアミンの得意とする、濃く深い色の表現もできません。また、色落ちが3~4週間と通常のカラー剤よりも早いため、染める頻度が多くなります。
市販のヘアマニキュアもノンジアミン
ヘアマニキュアはジアミンを含まず、髪を脱色する作用もありません。そのため、髪や頭皮へのダメージを抑えたい方におすすめです。
ただし、脱色する作用がないため、日本人の黒髪の上からヘアマニキュアで染めても、色の変化はほとんどありません。白髪染めとして使用するか、あらかじめブリーチで髪の色を抜いてからヘアマニキュアを使用するとよいでしょう。
ヘアマニキュアの色持ちは1か月程度です。自然な色合いで退色するため、根元との差は目
立ちにくいことがメリットです。ただし、頭皮に付くと色素沈着を起こすことがあるため、根元に付けないように注意しましょう。
ナチュラルヘナはノンジアミンでオーガニック
ナチュラルヘナは、天然成分100%のヘアカラーです。同じヘナでも、ケミカルヘナと呼ばれる化学染料(ジアミンなど)を含む製品も存在しますが、ナチュラルヘナには髪を脱色する効果はありません。
天然成分だけで髪を染めるため、髪にも頭皮にも優しいというメリットがあります。ただし、硫酸系界面活性剤が基剤のシャンプーを使うと色落ちしやすくなります。
こだわりのある
オーガニックカラーを選ぼう
オーガニックカラーは無添加やノンシリコン・ノンジアミンといった、低刺激にこだわった成分でつくられています。髪や頭皮を守るさまざまな成分が配合されているため、肌が弱い方でも使用しやすくなっています。
ただし、日本にはオーガニック成分の含有量に規定がないほか、商品によってはアレルギーを引き起こすことがある「ジアミン」が含まれたものもあります。
オーガニックカラーを使用する際は、天然由来の成分が多く配合されたもの、オーガニック認証を受けたもの、またはジアミンを含まないノンジアミンカラーがおすすめです。
- 「ヘアカラーでのアナフィラキシーショックについて」前の記事→